セクハラ、パワハラ

○セクハラ・パワハラと企業の責任

 セクシャルハラスメントやパワーハラスメントは,発生した場合それを行った個人だけでなく,それを防止できなかったり,やめさせなかったことなどを理由に会社に対する責任が問われることもあります。

○企業における予防

 そのため,企業としてはセクシャルハラスメントなどの防止のため,社内での周知を行ったり,苦情や相談に対応できる態勢をとる必要があります。

○事件への対応

 また,実際に事件が発生したような場合,企業としては事実関係を正確に把握し,解決策を示していく必要があります。そのためには,当事者からの聞き取り等の調査が欠かせませんが,この中では当事者のプライバシーや二次被害の防止にも配慮する必要があります。

 例えば,セクハラの事実が判明し,その加害者に対して懲戒処分を行うことも考えられますが,その処分の軽重は,一方当事者の言い分だけで判断するのではなく,種々の事情から慎重に判断しなければなりません。さもなくば,加害者がその効力を争うことも考えられます。
また,加害者を配置転換して被害者と接触しないようにすることも考えられますが,その場合も,加害者側から争われないようにする必要があります。

 一方,セクハラの事実があったのに何もしなかった場合,被害者から会社が訴えられることもあり得ますので,何もしないことは避けなければなりません。

 予防にせよ解決にせよ,対応を検討する際は弁護士への相談をお勧めします。