市街地再開発事業においては,法律上の実施主体は,地権者による市街地再開発組合や地方公共団体等の公共団体となるのが通常ですが,実際には,再開発ビルの建築や分譲等を行う民間デベロッパーが重要な役割を果たすことが多いと思われます。
そのような民間デベロッパーが関与する方法としては,以下のような方法があります。
①参加組合員
市街地再開発組合が取得するべき保留床について,事業当初からデベロッパー等による取得を予定している場合などに,その事業者を組合の一員として参加させる制度です。
参加組合員については,再開発組合の定款で定める必要があります。そして,参加組合員は,保留床の一部を取得することとなるのと引き換えに,その代金に相当する「負担金」を組合に納付することとなります。また,組合の一員として,運営に参加することとなりますが,事業についてのリスクも引き受けることとなります。
②特定事業参加者
市街地再開発組合ではなく,地方公共団体や都市再生機構等が事業主体となる場合に利用される制度です。内容としては,概ね参加組合員と同じようなものとなります。
③特定建築者制度
特定建築者とは,保留床を取得すべき民間事業者が,市街地再開発事業の施行者に代わって自らの負担やノウハウで計画・建築工事ができるようにするための制度です。
特定建築者は,権利変換計画で選定する旨を定め,その認可後に,原則として公募によって選定します。特定建築者は,自らの負担やノウハウで計画や建築工事,そのための資金調達等を行い,保留床については特定建築者が取得することとなります。
④業務代行
都市再開発法等の法令によらず,施行者等の委託に基づき,事業推進に関する各種業務を代行します。