市街地再開発事業を実施できる地域

市街地再開発事業とは,「市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、…行われる建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設の整備に関する事業並びにこれに附帯する事業」(都市再開発法2条1号)のことをいいます。つまり,細分化された敷地の統合や,不燃化された共同建築物の建築,公共施設等の整備により,都市における土地の高度利用と都市機能の更新をはかるものです。

そして,市街地再開発事業は,都市計画に基づき,都市計画事業として施行すべきところ,その施工区域を都市計画で定めるうえでは,以下の要件が必要です(都市再開発法3条)。

(1)施工区域が,以下のいずれかの区域内であること

①高度利用地区(「用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図る」ための規制を設ける地区)

②都市再生特別地区(用途地域等の規制の適用を除外して自由度の高い計画を定めることのできる地区)

③特定用途誘導地区(都市再生特別措置法に基づく,医療施設、福祉施設、商業施設などの施設を誘導するべき地区)

④特定地区計画等区域

(2)耐火建築物で一定の要件(階数が2以下でない,耐用年数の3分の2を経過していない等)を満たすものの建築面積が,建物全体の建築面積の3分の1以下。又はその敷地面積が,区域内の宅地面積の3分の1以下であること

(3)地区内に十分な公共施設がないこと,土地の利用が細分化されていること等により,土地の利用状況が不健全であること

(4)土地の高度利用をはかることが都市の機能の更新に貢献すること