夫名義で住宅ローン付の不動産を妻に財産分与することはできますか。
住宅ローンの借入先銀行に何の相談もしないで、不動産の名義を夫から妻に変更すると、銀行が住宅ローンの一括返済を求めてきたり、抵当権を実行してきたりする恐れがあります。住宅ローンの契約書(約款)において、名義変更は、ローン債務の期限の利益喪失事由とされている場合が通常ですので、このような法的措置をとることは十分可能です。
したがって、財産分与により不動産の名義を夫から妻に変更する場合には、先に銀行の承諾を得る必要があるといえますが、当事者に十分な資力がある場合等特別な場合でないかぎりは承諾しない場合が多いようです。
銀行が承諾しない場合は、夫から妻への所有権移転登記はローン完済後に行うとの取り決めをし、将来的に名義を移転する方法によるしかない可能性があります。このとき可能であれば、離婚時に所有権移転仮登記をつけておくことが考えられます。