地方公共団体が原告となって,建物(公営住宅等)や土地(普通財産)を占有する者を被告とし,不動産の明渡を求める訴訟がしばしば行われています。こうした事案では,費用対効果等を見据えながら、①訴訟前における直接交渉,②訴訟提起,③訴訟中の判断(和解や判決),④判決による強制執行といった段階を経ていくことになります。
特に、地方公共団体が所有する不動産に不法占拠状態が生じているにもかかわらず,その問題の解消に手を付けなかった場合,財産管理を怠っているものとして,当該地方公共団体の管理担当者やその長に責任があるという判断が、住民監査請求や住民訴訟においてなされるリスクがあるため、そうした点も、迅速かつ適切な判断が求められると言えます。
また,近年では,公有地上に立つ物件の所有者に複雑な相続が生じている事例や,相続財産管理人選任申立などを併用しながら、不動産明渡訴訟を活用した解決がなされています。