地方公共団体が、さまざまな公の施設の管理運営業務を、法人その他の団体に委ねる、指定管理者制度は、近年、広く活用されています。指定管理者制度を導入することにより、民間の工夫・活用等を活用して,当該施設の魅力を引き出して,有効に活用しようとすることが可能となっています。
このような形で、地方自治体が公の施設の管理運営業務を委ねる際には、制度を導入する段階で,委託する業務の内容の整理(仕様書の作成),委託料の計算方法の整理(使用料や利用料金収入との関係の整理),維持修繕業務をはじめとしたリスク分担の関係整理等が必要になるところです。
特に、公募を行う際の「募集要綱」、市と指定管理者と間の法律関係を定めることとなる「協定書」(基本協定書・仕様書)についても,曖昧な部分を出来るだけ減らし,事後に生じかねない紛争を未然予防したものとしておく必要があります。全国的には,地方公共団体と指定管理者との間で,制度導入段階で十分な意思疎通ができておらず,指定管理者による管理運営が始まった後に紛争が生じるような例も,ごくまれですが耳にするところです。