一般に,民間企業同士の契約締結においては,契約締結前の交渉全般において,当該会社の法務部や顧問弁護士が検討を重ねて,その契約締結プロセスが一歩進むごとに,リーガルチェック・法的アドバイスを重ねるような形で,契約書の最終的な調印に至る作業を重ねておられます。特に,契約締結においては,契約書の初期のドラフトにつき,どのような問題点があるのかを洗い出すだけではなく,それを相手方との力関係とのなかで,どのように契約書に織り込んでいくのか,その交渉方針も重要になるところです。こうした場合,弁護士は,基本的に裏方に徹しつつも,ベストな交渉方針をお伝えし,契約書のドラフトに対する改訂案を何度も考えるといった形で,法的アドバイスを提供することが多いです。
自治体においても、本来、地方自治体関係の特有のリーガルリスク(地方自治法その他の法令の抵触の可能性や、当該自治体の財産規則・契約規則との関係、また、これまで住民監査請求や住民訴訟で問題となった争点等)を十分に整理することが求められます。特に、契約締結後に生じた事象により、地方公共団体に不測の不利益が生じないように、十分に検討しつつ、契約締結前の交渉を重ねることが重要と思われます。